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映画「のび太の宝島」を見よう!

カンカンコンカカンカンカコンコン

カンカンコンカカンカンカコンコン

‥‥宝島違い。

 

声優が交代してリニューアルした新生・映画ドラえもんを、2006年から12年欠かさず見てきた。そんな目線から、今回の映画と、昔の映画について、少し話してみようと思う。

 

なお、このエントリでは2006年以降の映画ドラえもんしか扱わず、旧作品のリメイクであっても旧作品に言及することはしないが、それはこれより前の映画ドラえもんならびに本放送ドラえもんを否定するものではないし、またわさドラ*1を最高として位置づけているわけでもないことを明記する。こんなことを書いておかないと、思考能力を失ったのぶドラ至上主義者に殴られてしまうからね。まったく、へんなよのなかになったものだなあ。

 

目次

 

 

2006年からのドラえもん映画についてちょこっと整理

2006年からのドラえもん映画は大きく分けて2種類ある。

・リメイク‥‥旧声優*2時代の映画を原作として、もう一度現代の技術とスタッフとキャストとで再結晶させたもの。原作を忠実に再現したもの、オリジナルキャラの投入やストーリー展開の変更で少し変化を加えたものなど、作品によってさじ加減は異なる。

・オリジナル‥‥その名の通り、原作のない作品。といっても、漫画で描かれた短編を原作、もしくはモチーフとして大きな物語に広げている作品が多い。

 

せっかくリニューアルしたのにリメイク作品がなぜ作られるかといえば、なんせ話が面白いから。旧作の多くは藤子・F・不二雄先生が自ら原作・脚本を務めており、引き込まれるストーリー展開や感動のシーンにヤラレタ子どもたちが大きくなった頃にリメイクすることで、親にも子どもにもウケを狙おうというおいしい作戦だ。そして実際、リメイク作品は平均的に高いクオリティを維持している。

一方のオリジナル作品だが、リメイクに比べるとどうしても完成度の面で疑問符がついてしまうことも‥‥。それでも近年はリメイクに劣らない快作も登場しており、オリジナルといえどあなどりがたいものがある。詳しくは、このあとの作品解説を読んでくだされ。

 

 

2018年春公開、映画ドラえもんのび太の宝島」はオリジナル作品

さて、本題である。新生(もういいかげん新生という言葉を使いたくはないが)ドラえもん映画として13作目を数える今作「のび太の宝島」(以下「宝島」)はわさドラオリジナル作品としては7作目で、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの児童文学『宝島』をモチーフとした作品である。

 

先日予告編が公開された。良い、とても良い。

 

○本作に限らず、近年の予告編のナレーションを務めているのはスネ夫役の関智一さんである。関さんはオーディションに合わせてスネ夫の声を”開発”したそう。とても同一人物の声とは思えない。声優ってすごい。

○絵柄、というかキャラデザが、限りなく大山ドラ時代のものに近くて興味深い。前作も近づいてはいたが、ここまで振り切れているのは初めてではないか?

○ミニドラーー!!好きーー!!

 

 

https://news.mynavi.jp/article/20171201-550503/images/001.jpg

ワクワク感しか生まないポスター。

前作といい、ポスターにやる気を感じる。

 

 

大物が並ぶスタッフ陣

藤子プロ創立30周年記念作品として制作側の力の入れようが見てとれるスタッフの布陣となっている。

 

監督:今井一暁(TVシリーズ・ローテ演出)

脚本:川村元気(「君の名は。」)

音楽:服部隆之(「半沢直樹」「HERO」)

演出:八田洋介

キャラクターデザイン:亀田祥倫

 

ざっと調べたところ、キャラデザの亀田氏はドラえもんでも原画を描いていて、オープニングの原画も担当されているとか。さらに演出の八田氏と共にワンパンマンに参加している。そのあたりのつながりか?‥‥と邪推。

脚本の川村元気氏は映画プロデューサーが生業で、本人のwikiを見ると「君の名は。」をはじめ数々の有名作品のプロデュースに携わっていることが分かる。小説家としてはデビュー作の「世界から猫が消えたなら」が有名か。

そして音楽。前作まではTVシリーズと同じく沢田完氏が務めていたが、今作は服部氏を迎えている。沢田氏の音楽も大好きだったが、新しい風がどう吹くか楽しみでもある。

 

いわば、外部ゲストを招いたような布陣なのである。それがどう出るか。

 

 

ゲスト声優・主題歌も豪華ね

・キャプテンシルバー役に大泉洋氏。

大泉氏はかのレイトン教授の声を担当していており、声優業にも定評があるのだ。彼の声を聞けるのが楽しみである。

・主題歌&挿入歌に星野源!!ほんと休めるときには休んでほしい

過去数年の主題歌アーティストはアニメ化されているので、デフォルメされたカワイイ彼がエンディングに出てくる日も近いかもしれないぞ!みんな毎週金曜7時はテレビの前に集合だ!

 

 

見どころ

 現時点で見どころを語るのは時期尚早と思われるが、さすがに「見よう!」などと宣言した手前、見てほしくなってくれそうなポイントを並べてみることにする。

・ミニドラ、18年ぶり映画出演。ということはつまり、わさドラ映画初出演となる。ミニドラはね、かわいい。ムジャキにしてビミョーに役に立たないあたりとか。映画ではどんな活躍をするか、はたまたどのように足を引っ張るのか?

・映画館で見る冒険活劇。ドラえもんのアクションシーンは迫力がある。キャラクター造形がシンプルな分、それを引き立てる背景や動きがカッコイイ。

・ストーリーがわかりやすい。基本路線は勧善懲悪、頭をあまり使わずとも物語の世界に浸ることができる。といってもそうじゃないこともあって、それが良いのだが。

・劇場版はガジェットに凝っているので、例えば本編ではわりとキレイに描写されているのび太の部屋に大量のマンガやガラクタが散らかっていたり、過去の劇場版のネタがそれとなく散りばめられていたり、ドラえもんが日頃寝ている押し入れにドラえもんが推しているアイドルのポスターが貼ってあったりしてスタッフのこだわりと愛が垣間見えるし、いつもキレイな空き地にもうっそうと雑草が茂っているなど、劇場版で力の入った舞台設定を楽しめる。TVシリーズを少しでも見たことがある人ならその違いに感嘆するだろうし、見ていない人にも一定のクオリティを保証するだろう。

・エンディングでは、毎年の主題歌が優秀なこともありしっとりした気分で劇場を後にすることができる(元気系の主題歌も少なくはないが)。今回の主題歌・星野源も良いものを持ってきてくれると信じて疑わないので、泣かずともジーンとすることができるだろう。

 

 

最後に

あまり見てない人向けに薦める文章を書くのは難しい。今も、どう考えてもコアなネタばかり出てきてしまうのを抑えているところである。

この機会に、映画ドラえもんを劇場で鑑賞してくれる人が少しでも増えるのであれば、一ファンとして嬉しい限りである。

 

本当はわさドラ映画過去12作の全レビューとおすすめをして過去作にも手を出してもらいたかったのだが、あまりにも文章が膨らみそうなので、次回に回すこととする。そちらもお読みいただければと思う。

 

 

追記:星野源で一番好きな曲?よく「知らない」なぁ。

*1:声優交代後のドラえもんの総称として、ドラえもんを演じる声優水田わさびの名前を借りて便宜上こう呼んでいる。

*2:あんまりこの言い方も好きではない‥‥