色メガネ売場

目の届くかぎり広く、手の届くかぎり深く

京都3泊6日3万円チャレンジ - 序盤戦(表)

sakushusen.hatenablog.com

↑リッパなことを書いているようで、その実中身はさしてない前書きは別記事で。

本編を読む上で必要な情報は、いっさいない。特に読む必要はない。

 

概要

題に掲げた「京都3泊6日3万円チャレンジ」とは、旅行中かかる一切の費用を3万に収めてしまおうという企画である。説明するまでもない。

「3泊」なのに「6日」である時点で、安価に振り切った移動政策(これすなわち深夜バス)に徹していることが読み取れようというものだ。

企画遂行のためマジメに帳簿をつけるなどしていたのだが、まさかあんなところでひっくり返るとは思わなんだ‥‥。

と、安価旅行に合わせた安い宣伝文に乗せて、今回の旅を始めよう。はてさて、どこに着地したのだろうか。

 

 

1・2日目

始まりは 毎度おなじみ 新宿の 人で賑わう バスターミナル

眠れるか 腰は持つのか 深夜バス 走れ走れよ いすゞのトラック(字余り)

 

なぜ川柳なのか? 特に理由はない。思いつきは誰にも止められない、しかし誰にも求められない。

 

長距離バスの特徴として、同じ便同じ区間でも日ごとに料金が変わることがあげられよう。人の多い週末周辺や繁忙期は高く、逆に閑散期の平日は安く料金が設定されていることが多い。うまく旅程を組めば、移動費を抑えることができるのだ。

今回は水曜発のバスに乗り、なんと1000円台で関西までひとっ飛びである。

浅い眠りに生ぬるく包まれ、夜を西へ流れていく。

 

到着まぎわ、外したメガネが手元にないことに気がつき、座席の下に這いつくばる。

メガネというのはウセモノの中でもレベルの高いクセモノで、なぜかと聞かれれば「なかば視力なしの状態で"視力"を"見つけ"出さねばならぬ」絶望に浸されるからである。

隣の青年がものすごく胡散臭そうな目でこちらを見ていた、気がする(なにせメガネがないので見えていない)が、いたしかたあるまい。数分後になんとか見つけ出し、下車時刻に間に合った。ただいま、世界。

 

深夜バスに京都とくると過去のイヤな忘れ物を思い出してしまう上に、元来の忘れんぼう気質が手伝い、先ほどのメガネ騒動が追い打ちをかけて、忘れ物には尋常ならざる警戒をと脳内警備隊長が発破をかけていた。朝7時、ぼんやりする頭の中で。

目的地に到着すれば長時間の移動で倦怠に満ちていた体もたちまち元気を取り戻すように感じるが、短時間の浅い眠り、長時間の同じ姿勢で、体力も気力も見かけほどありはしない。いそいそと張り切ったところで、空回りが怖いという深夜バス明けの朝だった。

 

 ↓過去の手痛い忘れ物の思い出はこのときのもの。

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さて3万円チャレンジと掲げたからには、当然節約が不可欠である。

旅費の三大項目といえば、食費移動費宿泊費。リズミカルで覚えやすい。

そう、食費。並の食事をしていては、とても福沢諭吉3人ではまかなえない。(変な日本語だ)

 

京都駅から嵯峨野線に乗る。通勤通学で大混雑、押さないと乗れないラッシュタイム。

隣の丹波口駅で降りて徒歩10分ほど。中央卸売市場のはずれ、アーケード下のような不思議な雰囲気の中立ち並ぶ店の中に、朝から営業しているお店がいくつかある。もっぱら卸売業者の方のための早朝営業だろうが、一般人でありながらズカズカ入店した。

 

泣く子も黙る380円の朝ごはんである。

右に見えますのはラーメンのスープ。レンゲで白飯をすくい、スープに浸して食べる。そこ、ひもじいとか言わない。

今度はスープに麺を浸して食べるぞと誓いを残し、ターレットトラックが走り回る市場を早々と後にした。

 

続いて自転車をレンタルしに東山三条へ。東山七条の店で借りるつもりだったが、店が開店休業状態で、人が来ないかとその周辺をうろついていたら保育園の横に立っていた警備員に睨まれたのですごすごと退散。

 

1日1700円で電動自転車をレンタル。雲行きは怪しかったが、強引に店を飛び出した。

‥‥案の定、昼過ぎから雨。それもバケツをひっくり返したような、スゴイやつときた。またしても台風を呼んでしまったのかしらと思うほど。

どうせ嵐を呼ぶなら、爽やかな5人組に来ていただきたいところである。

 

やむなく自転車を預け、屋内に避難。

 

百円ローソンで買ったジャンボどら焼き、これが昼ごはん。

 

雨は上がるも、ペダルを漕ぐ足は重い。悪態をつきつつ、なんとか下鴨神社までたどり着く。

湿気をまとい、一段と神秘さをまとった世界文化遺産

 

潤いとか湿りを帯びた森がいやに神秘的に思えるのは、アニミズムに依っていた遠い遠い昔の御人が、高温多湿な日本の気候の中に神を見出したからなのかもしれない。

 厄除守の鈴の音も優しく、ほんとうに災いが祓われていくようだった。

 

近くの出町桝形商店街で夕食を買い出して、バスで東山五条の宿へ。

 

主食のもち(!)、焼き鳥に揚げ出し豆腐、野菜を合わせてこれで800円くらい。

東山五条の交差点を眺めながら、ひとり黙々と食べる。雨音と雷鳴をBGMに。

 

 宿はゲストハウスだが、形態はカプセルホテルに近い。二段ベッドの両脇を板で仕切り詰めて配置してあるので、一部屋に20人ほど収容できる。そして、やはりというべきか、日本人はほとんどいない。

割り当てられたベッドは2階。ハシゴの登りづらさに閉口しつつ、なんとか寝床を求め這い上がる。

なにせ一泊1080円である。ハシゴを登らねばならないのは仕方のないこと。特になにも文句のない、きれいな宿だった。

 

 

2日終えて、残金は22000円くらい。あと3日で使うと思えば、まずまずといったところだろう。

 

前書きに書いた「お金がなくてもできる旅行」、まさに今実践の場である。

楽しみ方は、ヒトの数だけあると思えばいい。

 

 

 

中盤戦に続く。 

 

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